

患者さんの特徴
監修:新古賀病院 糖尿病・甲状腺・内分泌センター 顧問
廣松 雄治 先生
基礎疾患
甲状腺眼症は多くの場合、甲状腺疾患に関連して発症します。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)の患者さんでは、治療の必要のない軽い症状も含めて、25~50%で眼症を発症します1)。約40%の患者さんはバセドウ病の発症時期に眼症状も発症しますが、バセドウ病などの発症から数年たって眼症が発症することもあるため2)、甲状腺疾患のある方は、定期的に目の症状をチェックすることがとても大切です。
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性別
甲状腺眼症の日本人患者さんの76%が女性であることがが報告されています3)。
また、女性/男性比は重症度によっても異なり、男性で重症例が多い可能性があります4)。
年齢
甲状腺眼症の日本人患者さんの平均年齢:44.6歳3)
発症のピークは男女とも二峰性で、女性:40~44歳と60~64歳、男性:45~49歳と65~69歳となっています5)。
喫煙歴
喫煙者では甲状腺眼症の発症リスクが7~8倍に増加することが報告されています6) 。
家族歴
バセドウ病や橋本病などの甲状腺疾患の家族歴を有することが報告されています7) 。
1)廣松雄治: 診断と治療 2023; 111(5): 623-627
2)日本甲状腺学会・日本内分泌学会 編集: 甲状腺眼症診療の手引き メディカルレビュー社, 2020
3)日本甲状腺学会・日本内分泌学会 編集: . バセドウ病悪性眼球突出症(甲状腺眼症)の診断基準と治療指針2023(第3次案). 2023
4)Manji N, et al.: J Clin Endocrinol Metab. 2006; 91: 4873-4880.
5)Bartley GB.: Trans Am Ophthalmol Soc. 1994; 92: 477-588.
6)Perros P, et al.: BMJ 2009;338:b560.
7)Bartley GB, et al.: Ophthalmology. 1996; 103(6): 958-962.
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